ものもらい
まぶたの裏側などが腫れて痛みやかゆみを感じる病気で、地方によって呼び名がいろいろあり、関西では「めばちこ」と呼ばれています。この病気は2種類あります。
1)麦粒腫(ばくりゅうしゅ)=まぶたの分泌腺に細菌感染を起こしたもので、ズキンズキンとした痛みの強いことが多いです。マイボーム腺の感染を内麦粒腫、汗腺やまつ毛の毛根に感染した場合を外麦粒腫と呼びます。治療は抗生物質の点眼や内服をおこないます。化膿がひどくなった場合は切開して膿を出す場合もあります。
2)霰粒腫(さんりゅうしゅ)=マイボーム腺の出口が詰まって中に分泌物がたまり、肉芽腫という塊が出来る病気です。症状としてはまぶたの腫れや異物感、まぶたの重だるさといったものです。多くの場合は細菌感染を伴わないので、痛みは比較的軽いですが、まれに細菌感染を合併すると麦粒腫のような症状になります。小さな霰粒腫は自然に吸収されることもあるので抗生剤点眼で経過を見ますが、大きい場合は副腎皮質ステロイドの眼軟膏を塗布したり手術で摘出する場合もあります。なお高齢者ではまぶたの悪性腫瘍との鑑別が必要になる場合があり、注意が必要です。